「人が足りない。でも、採用は簡単ではない。」
求人を出してもなかなか応募が集まらず、集まっても求めるスキルや志向にマッチしない。さらに、経営状況や人件費の高騰、賃上げへの対応が追いつかず、「採用したくてもできない」という苦しい状況に陥っている企業も少なくありません。
株式会社帝国データバンクが実施した2025年度の雇用動向に関するアンケート調査によると、全国2万6,815社の企業のうち、58.8%が「採用予定がある」と回答しました。しかし、この割合は前年の61.5%より2.7ポイント減少しており、2年連続で前年度を下回る結果となっています。また、新型コロナの影響が大きかった2021年度(55.3%)以来、4年ぶりに6割を下回ることになり、採用予定のある企業が減少していることがわかります。一方で、「採用予定はない」と答えた企業は28.5%で、前年より1.5ポイント増加しています。
そうしたなか、注目を集めているのが「外国人インターン」の存在です。
「日本人の採用が難しいのなら、海外の優秀な学生にも目を向けてみよう」——そんな声を耳にする機会が増えてきました。いま、採用に対する考え方が、少しずつ変わり始めているのです。また、訪日外国人の増加や、企業活動の国際化が進むいま、社内に多様な視点や背景を持つ人材が活躍することは、もはや強みではなく“前提”になりつつあります。採用の厳しさをきっかけに、異文化を受け入れる柔軟性と、未来を見据えた組織づくりに舵を切る企業が増えています。
外国人インターンの受け入れは、企業に多くのイノベーションをもたらします。多様なバックグラウンドや価値観を持つ彼らの視点は、従来の考え方にとらわれない柔軟な発想や、新しいアプローチの起点となります。たとえば、マーケティング部門では、インターンの母国に関する知見を活かし、商品プロモーションの改善やSNS戦略の見直しに貢献してもらうことができます。IT分野においても、欧州のユーザー視点を取り入れたUX改善の提案など、開発段階から多様なニーズに対応したサービスづくりに協力してもらうことが可能です。また、外国人インターンとの日常的な協働を通じて、社員の異文化理解や英語でのコミュニケーション能力が自然と高まり、組織全体の対応力や柔軟性の向上にもつながっています。このように、外国人インターンの受け入れは、企業にとって革新の種を育む貴重な機会にすることも可能です。
外国人インターンの受け入れに成功している企業の事例をいくつかご紹介します。
◾️IT業界
外国人インターンが自国の市場トレンドや利用者の要望をもとに新しいアプリの企画を提案。実際にそのアイデアがサービス化され、海外ユーザーの獲得に成功しました。グローバル展開を目指していた同社にとって、現地のリアルな情報や視点は貴重なヒントとなり、事業戦略を一歩先に進める大きな推進力となったそうです。
◾️観光業界
外国人インターンがSNSにて自国の言語を活用した情報発信を行い、海外からの観光客誘致に成功しました。言葉や文化を理解したうえでの発信が、現地の人々にしっかり届き、結果として地域経済の活性化にもつながっています。
◾️海外向けのネット通販(越境EC)業界
各国の文化やニーズに即したPR手法やWebデザインについて、外国人インターンからフィードバックや提案を受け、ECサイトの改善を実施。その結果、申込数が25%増加したという報告もあります。
このように外国人インターンの受け入れは、企業の成長戦略やイノベーション推進に大きく貢献しています。
外国人インターンの受け入れを成功させるためには、以下のステップを踏むことが効果的です。
ステップ1:受け入れ目的の明確化
まず、自社が外国人インターンを受け入れる目的を明確にします。例えば、グローバル人材の育成、新市場の開拓、社内の多様性促進など、目的に応じた受け入れ方針を策定します。
ステップ2:受け入れ体制の整備
インターンの指導担当者やメンターを選定し、業務内容や評価基準を設定します。また、社内での受け入れ体制やサポート体制を整備し、インターンが安心して業務に取り組める環境を作ります。
ステップ3:適切な人材の選定
大学や専門機関、インターンシップ支援団体などを通じて、目的に合った外国人インターンを選定します。書類選考や面談を通じて、スキルや意欲を確認します。
ステップ4:事前準備とオリエンテーション
インターンシップ開始前に、業務内容や社内ルール、文化的な注意点などを説明するオリエンテーションを実施します。また、必要に応じて日本語研修や異文化理解研修を行います。
ステップ5:継続的なフォローと評価
インターンシップ期間中は、定期的な面談やフィードバックを行い、成長をサポートします。また、インターン終了後には評価を行い、今後の採用や人材育成に活かします。
段階的に準備を進めることで、外国人インターンの受け入れが、企業にとって大きな成果につながります。
Story Agencyでは、主にアメリカやヨーロッパを中心とした優秀なインターンを、企業のニーズに合わせてマッチングし、受け入れからインターンシップ終了まで一貫してサポートしています。また、弊社のインターンシップは、採用前のトライアルとして低コスト・低リスクで導入できる体制を整えており、企業様が安心してスタートできるようサポートしています。少しでもご興味があれば、お気軽にご連絡ください。
外国人インターンシップの受け入れは、企業にとって多くの可能性を秘めた戦略です。多様なバックグラウンドを持つ人材との協働を通じて、組織の柔軟性や対応力を高め、変化の激しいビジネス環境において競争力を維持するための強力な武器となります。また、外国人インターンとの交流は、社員の異文化理解や語学力を向上させ、グローバル人材の育成にも大きく貢献します。今後のグローバル展開や多様性を活かした組織作りに向けて、外国人インターンシップの導入を検討してみてはいかがでしょうか。